この記事では、TOEFL iBT Speakingセクションの攻略法をお伝えしていきます。テンプレートも大公開していますので、ぜひ参考にしてください。日本人のためのアウトプット練習法に関してはコチラの記事で解説しています。
1.Speakingセクションのおすすめ勉強法
2.Speakingセクションのおすすめ解き方
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大前提
TOEFL iBTは2019年8月1日より「問題数」「時間」が変わります。インターネット上には,変更前の情報が氾濫していますから,十分注意して情報収集してください。詳しくは,以下の記事をご覧ください。特に,過去問演習の際は「形式が変更されること」を頭に入れたうえで取り組んでみてください。
Speaking セクションの勉強法
最近、効率的な英語学習方法について様々な議論が交わされています。
……。
ハッキリ言いますが、これらのような勉強方法はTOEFL iBTに直結しません。というのも…
一般的な英語学習法
≠TOEFL iBTの学習法
なのです。つまり、日常会話をペラペラにする目的で英語を勉強しても、TOEFL iBTのスコアには直結しないんです。
ですから、TOEFL iBT対策はTOEFL iBT対策として完結させたいところです。そこで、この記事ではTOEFL iBT 対策として私がおすすめする100%近道の勉強方法を2か月という期間を想定してご紹介します。
勉強の流れ
1)テンプレ暗記
2)パラフレーズ
3)ブレインストーミング
4)過去問演習
5)アウトプット
という流れになります。テンプレートの使用については是非が分かれるところですが、私の見解ではTOEFLスコア90upまではテンプレートで対策可能です。純正の日本人が文化の違う言語で自然な表現をしゃべることは、残念ながら非現実的です。
さらに、Speakingでは数十秒間話し続けることが求められますが、テンプレなしでは文字数が足りなくなります。我々にできることは、テンプレートという型に英語圏の論理を落とし込んで利用することではないのでしょうか。
テンプレ暗記
スピーキングセクションでは、大問数が4題の出題となります。スピーキングでは基本的にダミー問題の出題はありません。ダミー問題についてはコチラの記事をご覧ください。
大問4題の内訳は、1題目はお題を与えられて自分で考えて発言(Independent Task)、3題目以降はリスニング内容を踏まえて発言(Integrated Task)という内容になっています。このようにスピーキングセクションではリスニングの能力が要求されます。リスニングの対策についてはコチラの記事をご覧ください。
もう少し内容を詳しく見ていきましょう。
●1題目
・身の回りのことについて
●2題目以降
・大学の掲示物を読んだ2人の生徒の賛成案/反対案
・テーマの提示と教授の講義
・男女の会話内での問題提起と2つの解決策の提示
・教授の講義とその具体例
以上をふまえると、スピーキングセクションでは6つのテンプレートを用意する必要があります。1問目では「尊敬する人は?」「お気に入りの場所は?」といったような内容が聞かれます。
ここで有効な作戦で「おじいちゃん戦法」と呼ばれるものがあります。これはどんな質問が来てもおじいちゃんにつなげて解答するというなんともセコい戦法です。が、非常に有効です。例えば
「尊敬する人は?」
「好きな場所は?」
「子供の頃の思い出は?」
「人生で一番努力したことは?」
…どうですか?いとも簡単に答えられてしまいますね。スピーキングセクションでは、解答の内容は問われません。一番努力したことが小学校のテストであっても、ピーマンを克服したことでも、何でも良いわけです。質問に対し的確な解答ができているかが重要になってきます。
また、主張を裏付ける具体的なエピソードを話す必要があります。具体的なエピソードも、テンプレを用いて対策が可能です。そこで、この記事ではおじいちゃんに代わる効果的な4つのテンプレを大公開したいと思います。
4つのテンプレ
私のおすすめは以下の4項目です。
1)「音楽が私を救った」
2)「時間は大切だ」
3)「AIが日本の伝統を変える」
4)「1つに集中する素晴らしさ」
この4つをマスターしてしまえば、ほとんどどのような問題でもおじいちゃん戦法(改)で解答することができます。少しやってみましょう。
「印象深い写真について具体的エピソードも交えて教えてください」
(テンプレ②)
「過去に友達に救われた経験はありますか。具体的エピソードも交えて教えてください」
(テンプレ①)
「あなたの国の伝統を教えてください。それはあなたとって大切なものですか」
(テンプレ③)
「あなたが最近経験した中で最も大切な体験を教えてください」
(テンプレ④)
いかがでしょうか。このように4つのテンプレを駆使すれば、怖いものなしです。また、3問目以降ではリーディングとリスニングの内容に基づいて論理的な解答を作成する必要があります。ここでもテンプレートは必須でしょう。実際、私もこれらのテンプレに助けられ本番では喋りが止まることはありませんでした。それでは、早速テンプレート大公開です。
1問目のテンプレート
【音楽が私を救った】
In my opinion, I would have to say that ( ※ ).
There are a lot of things to name. The most important thing is that musics always get me going. To give an example, when I was a university student, I got a bad score on TOEFL. I was so depressed and I went to Karaoke with my close friends. We sang songs and cried together. I got rid of stress and I was so relaxed.
As a result, I felt full of energy. That’s why I believe ( ※ ).
【時間は大切だ】
In my opinion, I would have to say that ( ※ ).
There are a lot of things to name. The most important thing is that ( ※ ) taught me how precious time is. To give an example, when I was a high school student, I often wasted so much time watching TV and playing games. However, since I realized the importance of time, I stopped doing those kind of things more than necessary.
As a result, I made the most of my time, and I broadened my horizons. That’s why I believe ( ※ ).
【AIが日本の伝統文化を変える】
In my opinion, I would have to say that ( ※ ).
There are a lot of things to name. The most important thing is that AI would make our life more comfortable. To give an example, Japanese people conventionally used to have a marriage interview long time ago. However, it has not been common to have it because we use dating apps on smartphones. In dating apps, AI makes it possible to select a better person for us.
Even now, I prefer a marriage interview because I can have face to face communication, but more and more people use dating apps these days and they have a lot of opportunities to get to know each other. That’s why I believe ( ※ ).
【1つのことに集中する素晴らしさ】
In my opinion, I would have to say that ( ※ ).
There are a lot of things to name. The most important thing is that focusing on one thing always leads me to success. To give an example, when I was a university student, I studied English to get a good score on TOEFL. But at first, my TOEFL score was only 60. So, I took an English class every day to improve English ability. In the class, I talked about my favorite things in English and the professor Reiko gave me a passionate feedback. I spent a lot of time studying English every day.
As a result, my TOEFL score improved dramatically from 60 to 100. That’s why I believe ( ※ ).
3問目以降のテンプレート
【大学の掲示物(Reading material)を読んだ2人の生徒の賛成案/反対案】
In the reading material, there is an announcement about ( A ). The man seems to agree with the announcement for several reasons. First, he states that ( B ). Second, he mentions that ( C ). That’s why he has a positive view toward the opinion.
※メモの取り方についてはコチラの記事をご覧ください。
【テーマの提示(Reading material)と教授の講義】
In the reading material, there is a topic about ( A ). To reinforce the topic, the professor gave two examples in the lecture. First, he states that ( B ). Second, he mentions that ( C ). Therefore, those two examples clearly illustrate this idea.
【男女の会話内での問題提起と2つの解決策の提示】
In this conversation, the man has a problem that ( A ). The other student suggest two solutions. First, he can ( B ). Second, he can ( C ). I prefer the second solution. The first solution is not nice because ( D ). The second solution is better because ( E ). In conclusion, that’s why I prefer the second solution.
【教授の講義とその具体例】
In the lecture, the professor is talking about ( A ). To reinforce the topic, he gave two examples in the lecture. First, he states that ( B ). Second, he mentions that ( C ). Therefore, those two examples clearly illustrate this idea.
テンプレート解説
上のメモにも書いてあるように、リスニング内容に応じて男性/女性、賛成/反対を臨機応変に変えなくてはなりません。さらに、これらのテンプレートを用いるともっとしゃべりたいのに逆に話す時間が足りなくなる場合があります。そのときは最後の文章
「That’s why…」
「Therefore,…」
を省略しましょう。最後の文章はまとめなので、省略しても論理性は保たれます。これらのテンプレは試験前に必ず覚えてしまってください。試験が始まっても、リスニングとスピーキングの間の休憩時間は参考書を見ることを禁止されています。テンプレの確認はできませんが頭の中で何回もくり返し唱えてください。なぜなら、テンプレがすらすら口から出るようになって、初めてスピーキングの土俵に立てるからです。
パラフレーズを習得
ライティング同様、スピーキングでもパラフレーズの能力が問われます。しかし、スピーキングではパラフレーズはあくまでもプラスアルファの得点だという意識を持つことをおすすめします。まずは上のテンプレ暗記から行っていきましょう。パラフレーズについては以下の記事をご覧ください。
ブレインストーミング練習
この勉強方法は、主に1問目(Independent Task)の対策になります。続きはこちらをご覧ください。
過去問演習
過去問演習では、『The Official Guide to the TOEFL Test with DVD-ROM』を使います。
さらに、もっと演習を積みたい方や時間に余裕がある方は、以下の4点にもトライしてみてください。
①『Official TOEFL iBT Tests Volume 1, 2nd Edition (Official Toefl iBT Tests)』
②『Official TOEFL iBT Tests Volume 2 (Official Toefl iBT Tests)』
③『TOEFL iBT® Interactive Sampler』(ETSの公式HPから無料ダウンロード)
④『TOEFL iBT® Test Questions 』(ETSの公式HPから無料ダウンロード)
始めるの?
はい。答えは至極単純で、TOEFL iBTはパソコンを用いた特殊なテストだからです。
つまり、パソコンで受けるテストにおけるコツさえつかんでしまえば、いとも簡単に高得点が取れてしまうのです。よく比較される例としてIELTSが挙げられますが、IELTSは筆記試験なので紙を使った勉強方法が効果的でしょう。(IELTSについてはコチラの記事をご覧ください)
私の友達は、日本人著者による参考書や紙ベースの模試を用いて勉強していたのですが
という状況に陥っていました。そんな大惨事になる前に、公式のPC上の過去問を解くのは当然のことでしょう。まずは敵を知るところから始めるのです。ここまでを復習しましょう。
★テンプレ暗記
★パラフレーズ
★ブレインストーミング
★過去問演習
さて、次は具体的な学習計画です。
学習計画
TOEFL iBTの学習計画の立て方については、以下の記事をご覧ください。
Speakingセクションの解き方
Speakingセクションでは、上で書いたことが練習できていれば基本的には満足のいく点数が取れるはずです。Listeningではメモを取るなというアドバイスをさせていただきましたが、Speakingではメモが命です。メモの取り方についてはコチラの記事をご参照ください。ここまで対策すれば
と思うかもしれません。しかし、もう1つだけとっておきのテクニックがあります。開始時間を調整すれば、周りの人の解答から大まかな質問内容を推測できるのです。少しセコいですかね…。しかし「運も実力の内」というようにズル賢さもTOEFL iBTを攻略する1つのカギになります。わたしがTOEFL iBTを初めて受験した時は
アウトプット練習
これまでお話ししてきたことは,最終的にはパソコン相手に解答することになります。しかし,アウトプットの練習ができていなければ
という大惨事に陥ってしまいます。そうならないためにも,ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
お疲れさまでした。以上がSpeakingセクションのおすすめ勉強法・おすすめ解き方です。少しでもお力になれれば幸いです。
質問が2点ございます。
①There are a lot of things to name.という表現をこれまでの人生で見かけた事がないのですが、どういう文意なのでしょうか。
②【男女の会話内での問題提起と2つの解決策の提示】のテンプレで “a problem that〜” という表現を用いられていますが、大学入試の時に学んだ記憶だとproblemは同格のthatを取れなかったような気がしますが、誤用でしょうか。
個人的にはS has a problem. SV〜と2文に分けて書くか、the problem is that〜としてしまった方が自然な印象があります。
京大学部生 様
的確なご指摘誠にありがとうございます。ご質問に回答致します。
1. There are a lot of things to nameについて
「(理由として)挙げる内容はたくさんある」という意味を想定しています。正直、テンプレ化する上での文字稼ぎの役割を与えています。言い回しとしては、確かに不自然かもしれません。ネイティブの友達に見てもらって特に指摘されなかったのでそのままにしておきましたが、よい機会なので見直します。ありがとうございます。
2. 同格のproblemについて
problemは同格を取れると認識しております。辞書には同格を取れる名詞の全てが網羅されているわけではないため、私はこちらのサイトをよく利用します。(https://6617.teacup.com/m_kubota/bbs/759)
ご指摘の内容、非常に勉強になります。テンプレとしてなるべくコンパクトにまとめたかったので同格として表現しました。おっしゃる通り、同格を避けたほうが無難な表現になると思います。意図としては、経験上、problemの内容は必ずしも「S+V」で表しやすい内容とは限らないため、後置修飾にも繋げやすい同格の構造に収めています。
改めて、貴重なご意見ありがとうございました。今見返すと、ところどころ恥ずかしい表現が残っているため、この機会に周りの外人とも議論しながらテンプレを軽くリフレッシュさせたいと思います。
8月1日付の変更についてですが、ETS のオフィシャルサイトのQ&Aをみますと、スピーキングのQ1とQ5が消えるとあります。ということは「尊敬する人は」「歴史上のあってみたい人物」のような質問については準備をしなくてよいという解釈でよいのでしょうか。 全く興味のない「あなたの好きなスポーツ選手は」とか聞かれたら困ると思って、このネタ探しに多大な時間を費やしてしまっていて、もしここがなくなれば結構嬉しいです。
LuluLondon 様
コメントありがとうございます。
従来の形式ではQ1とQ2で身の回りについての質問(independent tasks)がありましたので,Q1が消えただけでは「尊敬する人は」系の質問が無くなるとは言い切れません…!
たしかに,興味のないトピックだと答えるのが大変になりそうなイメージはありますが,大多数が回答に困ってしまうようなトピックは出題されないのが普通です。
ETS公認ガイドではindependentのトピックが複数載せられていますので,ぜひそちらを参考にしていただければと思います。