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【超初心者向け】これで十分。基本情報技術者試験に最短ルートで合格する勉強法と対策!

zuka

こんにちは。zuka(@beginaid)です。

基本情報技術者試験(FE)は,情報系の資格試験で最もベーシックで有名なテストです。IT系に関わる勉強や仕事をしている人であれば,取得することは必須と言っても過言ではない国家資格です。

しかし,FEの合格率は20~30%と意外に狭き門となっているのです。というのも,試験の範囲が膨大で何から手を付けてよいのか分からないという人が多く,途中で挫折してしまってそのまま試験に突撃するという人も多いのだと思います。

そこで,この記事では基本情報技術者試験に「最短ルート」で合格するためにおすすめの勉強法と対策方法をお伝えしていこうと思います。

以下は2019年4月現在の情報ですのでご注意ください。

概要

基本情報技術者試験(以下FE)は,年2回(春と秋)開催されるIT分野に関する国家資格試験の1つです。平成30年度の受験生は15万人を超え,近年では非常に人気の資格試験になっています。FEは情報処理技術者試験の中の1つで,最も基本的な知識を問われる試験として位置づけられています。

FEは大きく分けて午前問題と午後問題があります。午前問題は,全80小問のマーク式4択問題です。午後問題は,全13大問中7問選択のマーク式技能問題です。実際に過去問を見てみると分かりやすいですね。

【試験の概要】
●午前:全80小問/マーク式/4択問題
●午後:7問選択/マーク式/長文

午前問題の例 [H.31 春]

午後問題の例 [H.31 春]

その他の過去問はIPA(情報処理推進機構)公式HPにアップされています。

傾向と対策

どんな流れで勉強すればいいかな?

大前提として,情報系の知識があまりない状態の方々を想定してお話を進めていきます。大学やお仕事でIT系の知識をすでにお持ちの方は,そこまで必死こいて勉強する必要はないかもしれません。むしろ,応用情報技術者試験にチャレンジする方が無難でしょう。

最初に,試験範囲を確認しておきましょう。公式HPにも記載がある通り,午前問題と午後問題の範囲は以下の通りです。(平成31年度4月現在)

※以下長いですが
スクロールしてください!!

★午前問題

●テクノロジ系(午前80問中50問)
1.基礎理論
(離散数学・応用数学・情報理論・通信理論・計測制御理論)
2.アルゴリズムとプログラミング
(データ構造・アルゴリズム・プログラミング・プログラム言語・マークアップ言語など)
3.コンピュータ構成要素
(プロセッサ・メモリ・バス・入出力デバイス・入出力装置)
4.システム構成要素
(システムの構成・システム評価指標)
5.ソフトウェア
(オペレーティングシステム・ミドルウェア・ファイルシステム・開発ツール・オープンソースソフトウェア)
6.ハードウェア
(ハードウェア全般)
7.ヒューマンインターフェイス
(ヒューマンインターフェイス技術・インターフェイス設計)
8.マルチメディア
(マルチメディア技術・マルチメディア応用)
9.データベース
(データベース方式・データベース設計・データ操作・トランザクション処理・データベース応用)
10.ネットワーク
(ネットワーク方式・データ通信と制御・通信プロトコル・ネットワーク管理・ネットワーク応用)
11.セキュリティ
(情報セキュリティ・情報セキュリティ管理・セキュリティ技術評価・情報セキュリティ対策・セキュリティ実装技術)
12.システム開発技術
(システム要件定義・システム方式設計・ソフトウェア要件定義・ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計・ソフトウェア構築・ソフトウェア結合/ソフトウェア適格性確認テスト・システム結合/システム適格性確認テスト・導入・受入支援・保守・廃棄)
13.ソフトウェア開発管理技術
(開発プロセス手法・知的財産適用管理・開発環境管理・構成管理・変更管理)

●マネジメント系(午前80問中10問)
14.プロジェクトマネジメント
(プロジェクトマネジメント・統合マネジメント・ステークホルダマネジメント・スコープマネジメント・タイムマネジメント・コストマネジメント・品質マネジメント・資源マネジメント・コミュニケーションマネジメント・リスクマネジメント・調達マネジメント)
15.サービスマネジメント
(サービスマネジメント・サービスの設計/移行・サービスマネジメントプロセス・サービスの運用・ファシリティマネジメント)
16.システム監査
(システム監査・内部統制)

●ストラテジ系(午前80問中20問)
17.システム戦略
(情報システム戦略・業務プロセス・ソリューションビジネス・システム活用促進・評価)
18.システム企画
(システム化計画・要件定義・調達計画・実施)
19.経営戦略マネジメント
(経営戦略手法・マーケティング・ビジネス戦略と目標・評価・経営管理システム)
20.技術戦略マネジメント
(技術開発戦略の立案・技術開発計画)
21.ビジネスインダストリ
(ビジネスシステム・エンジニアリングシステム・e-ビジネス・民生機器・産業機器)
22.企業活動
(経営組織論・OR/IE・会計財務)
23.法務
(知的財産権・セキュリティ関連法規・労働関連/取引関連法規・その他の法律/ガイドライン/技術者倫理・標準化関連)

★午後問題

【A.コンピュータシステムに関すること】
1)ソフトウェア・ハードウェア

・OS
・ミドルウェア
・アプリケーションソフトウェア
・言語処理ツール
・数値/文字/画像/音声の表現
・処理装置
・記憶装置と媒体
・入出力装置
・命令実行方式
・アドレス方式
・システム構成 など

2)データベース
・データベースの種類と特徴
・データモデル
・正規化
・DBMS
・データベース言語(SQL)など

3)ネットワーク
・ネットワーク構成
・インターネット
・イントラネット
・プロトコル
・データ通信
・伝送制御 など

【B.情報セキュリティに関すること】(必須★)
・情報セキュリティポリシ
・情報セキュリティマネジメント
・データベースセキュリティ
・ネットワークセキュリティ
・アプリケーションセキュリティ
・物理的セキュリティ
・アクセス
・管理
・暗号
・認証
・不正アクセス対策
・マルウェア対策(コンピュータウイルス,ボット,スパイウェアほか)
・個人情報保護 など

【C. データ構造及びアルゴリズムに関すること】(必須★)
・配列
・リスト構造
・木構造
・グラフ
・整列
・探索
・数値計算
・文字列処理
・図形処理
・ファイル処理
・計算量
・誤差

【D.ソフトウェア設計に関すること】
・ソフトウェア要件定義
・ソフトウェア方式設計
・ソフトウェア詳細設計
・構造化設計
・モジュール設計
・オブジェクト指向設計
・Web アプリケーション設計
・テスト計画
・ヒューマンインタフェース など

【E.ソフトウェア開発に関すること】(必須★)
・プログラミング(C,COBOL,Java,Python,アセンブラ言語,表計算ソフト)
・テスト
・デバッグ など

【F.マネジメントに関すること】
1)プロジェクトマネジメント
・プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)
・プロジェクトチームのマネジメント
・スケジュールの管理
・コストの管理
・リスクへの対応
・リスクの管理
・品質管理の遂行
・見積手法 など
2)サービスマネジメント
・サービスマネジメントプロセス(サービスレベル管理,サービス継続及び可用性管理,キ
ャパシティ管理,インシデント及びサービス要求管理,問題管理,変更管理ほか)
・サービスの運用(システム運用管理,運用オペレーション,サービスデスク) など

【G.ストラテジに関すること】
1)システム戦略
・情報システム戦略(全体システム化計画,業務モデルほか)
・業務プロセスの改善(BPRほか)
・ソリューションビジネス など
2)経営戦略・企業と法務
・経営戦略手法(アウトソーシング,競争優位,SWOT 分析ほか)
・マーケティング(マーケティング理論,マーケティング手法ほか)
・企業活動
・会計/財務
・法務
・標準化関連など

午後問題では,問1の「情報セキュリティ」と,問8「データ構造及びアルゴリズム」が必須解答問題です。さらに,問9~13の言語問題(C・COBOL・Java・アセンブラ言語(CASLⅡ)・表計算ソフト)からの1問も必須解答問題です。残った分野から出題された6問の中から4問を選択して解答します。
なんじゃコレ!?
多すぎ…

びっくりしますよね。これだけ多くの分野を勉強するのは気が引けてしまうと思います。しかし,本記事で紹介する対策法を参考にしていただければ,最低限の時間と労力で合格することができるはずです。

まず,最初に1番やってはいけない勉強法をお伝えします。それは,「長い期間かけてダラダラ対策をする」ことです。基本情報技術者試験は,ほぼ暗記ゲームです。理解もクソもないんです。IT系の基礎的な知識を網羅するために,深い仕組みや背景などは無視して,用語や計算問題が問われます。

これは仕方ないことで,これだけ膨大な範囲の試験で各分野を深堀りしていたら大変なことになってしまうからです。ですので,基本情報技術者試験は,(一部範囲を除いて)暗記ゲームだと割り切ってしまうのが吉です。ダラダラ勉強をすればするほど,FEの対策は途中で挫折しがちです。

そして,1つ合格のポイントがあります。FEの合格ラインは「60点」です。めちゃくちゃ低くないですか?大学であればギリギリ単位がもらえる点数です。ほぼ半分ちょっと正解すれば,国家資格をゲットできてしまうのです。

何が言いたいかというと,すべての範囲を完璧にこなす必要はないということです。ヤマを張って特定の分野を捨てるのも,大いにアリです。このような事実から,午前問題と午後問題の対策法をお伝えしていきたいと思います。

対策の流れ

早く対策の流れを教えてよ!

最初に結論からお伝えします。対策の流れは,午前問題→午後問題の順番で行います。なぜなら,午後問題は午前問題の知識を前提とした思考力を問う問題が出題されるからです。

【午前問題】
1.参考書を「1周」する
2.基本情報技術者試験ドットコムで過去問を回しまくる
→ 過去5年分でOK
→ 分からない問題は「参考書」「ググる」
3.試験1週間前から間違えた問題はメモしておく

【午後問題】
4.基本情報技術者試験ドットコムで過去問を回すだけ
→ 特に「データ構造とアルゴリズム」「プログラミング言語」+「情報セキュリティ」

参考書を1周

まずは,参考書を1周することで基本情報技術者試験で問われる内容をザっとさらいます。ここでは細かい用語を覚える必要は全くなく,むしろ問われる分野を知ることに全力を尽くしてください。というのも,後に基本情報技術者試験ドットコムで過去問を回すのですが,そのときに各問題が「どの分野からの出題なのか」を判別できるようにすることで,効率よく整理しながら知識を頭に入れることができます。

参考書って何を使えばいいの??

参考書に関しては個人の好みもあると思いますので,実際に書店で手に取って選ぶとよいでしょう。私がおすすめする参考書は以下の本です。定番of定番の参考書ですので,選ぶのが面倒くさい方はコチラの参考書で問題ないと思います。キタミ本や栢木本に比べて情報量が多いのが特徴的で,辞書のような使い方ができます。

もし,辞書のような使い方ではなく,内容も参考書をベースにして吸収したい方は,以下のキタミ本と栢木本をおすすめします。

過去問を回しまくる

参考書を1周した後は,ひたすら過去問を回しましょう。ここでは,基本情報技術者試験ドットコムさんは非常に優秀なサイトで,年度を指定したり,間違えた問題だけを指定したりして過去問を解くことができます。5年分の過去問を指定するだけで十分でしょう。FEでは,同じ問題が出題される可能性が高く,古い問題では答えが変わっている場合や,最新の問題を集中的にこなすことで最新の傾向を知ることができるからです。

午前問題では同じ問題が繰り返し出題されます。
例えば「機械学習」「データマイニング」などの概念・用語は最近問われやすいです。10年前の過去問にはこのような問題は出題されていないと思います。
もちろん基本情報技術者試験ドットコムさんでは古い問題の解答が変わっていれば注釈がつけられていますので安心してください。

最初のうちは,分からない用語や概念が多すぎて嫌になってしまうかもしれません。キタミ本や栢木本などの解説系のインプットをしてから過去問をする手もありますが,正直挫折すると思います。それは,内容の難しさではなく,勉強量と労力に対してです。全分野を理解して,暗記してから過去問に取り組むのは,確かに完璧な流れではあるのですが,相応の覚悟が必要です。

最も効率よく,最短ルートで合格を目指されるのであれば,上述のように「まずは参考書1周して試験の全体像をつかむ」「次に過去問を回して出題範囲を意識しながら分からない問題をつぶしていく」「最後に午後問題の過去問を解きまくる」ということになります。

間違えた問題のメモ

試験1週間を切ったあたりで間違えた問題の概要をメモしておくとよいでしょう。試験前に,効率よく苦手や知識の穴を,参考書と照らし合わせて埋めることができます。

午後問題対策

午後問題の演習は,特にアルゴリズムとデータ構造・プログラミング言語の2種類に重点を当ててください。なぜなら,この2種類の分野は選択必須だからです。

「情報セキュリティ」も選択必須ですが,こちらは午前問題の知識で解けてしまうことが大半です。

それ以外は,午前問題がクリアできていれば基本的に問題ありません。FEを狭き門にしている原因の1つが,「アルゴリズムとデータ構造」「プログラミング言語」の分野です。非情報系からFEを受けようとするときに登竜門となる問題です。

これらの分野は,いかに問題を解きまくるかにかかっています。午前問題とは異なり,同じ問題が出題されたことはありませんが,出題パターンや根本的な考え方は同じです。逆に,データ構造とアルゴリズム・プログラミング言語以外の分野では,問われることが毎年少しずつ異なってきています。そのような意味で,「アルゴリズムとデータ構造」「プログラミング言語」は対策しやすい分野でもあるのです。

時間配分

午前と午後はそれぞれどのくらいの勉強量を配分すればいいのかな?

難易度に関しては,午後問題の方が圧倒的に高いです。しかし,だからと言って午後問題しか対策しないのは,よくありありません。というよりも,午後問題だけ対策するということが不可能に近いのです。なぜなら,午後問題は午前問題の知識を前提として出題されるからです。まずは午前問題の対策に時間を割くことをおすすめします。

もし,あなたに残された時間が1か月だとします。私であれば,以下のような勉強量の配分をして対策を進めていきます。

【午前問題】
1.参考書を「1周」する
(↑3日間)
2.基本情報技術者試験ドットコムで過去問を回しまくる
→ 過去5年分でOK
→ 分からない問題は「参考書」or「ググる」
(↑2週間半)
3.試験1週間前から間違えた問題はメモしておく

【午後問題】
4.基本情報技術者試験ドットコムで過去問を回すだけ
→ 特に「データ構造とアルゴリズム」「プログラミング言語」+「情報セキュリティ」
(↑1週間)

ひとこと

基本情報技術者試験で立ちはだかる壁は,「範囲の膨大さ」「アルファベット略称の多さ」「アルゴリズムとデータ構造」「プログラミング言語」の4つです。多くの人は,国家資格を取得すると意気込んで勉強を始めますが,1週間も経たないうちに勉強するべき分野の多さに挫折してしまいます。

FEに立ちはだかる4つの壁

●範囲の膨大さ
●アルファベット略称の多さ
●アルゴリズムとデータ構造
●プログラミング言語

また,基本情報技術者試験は暗記ゲームだと上でお伝えしましたが,その理由の1つが「アルファベットで略す概念の多さ」です。これ,本当に気が遠くなります…。アルファベット3文字で略すことが多いのですが,どれも似通っていて英語を通しても覚えるのが難しいくらいです。ここでも,参考書を1周して分野を把握しておくだけで,「このアルファベットはこの分野」というイメージを付けながら勉強することができるため,効率よく知識を吸収できます。

少し極論かもしれませんが,みなさんが基本情報技術者に合格できるかどうかは,午後問題の「アルゴリズムとデータ構造」「プログラミング言語」の出来にかかっていると思います。はじめはとっつきにくい見た目をしていますが,問われていることは非常に単純な場合が多いですので,見た目にビビらずに勉強を続けてください。

みなさんの健闘をお祈りしています。

ABOUT ME
zuka
京都大学で機械学習を学んでいます。

POSTED COMMENT

  1. てん より:

    こんにちは!
    はじめまして
    私は現在情報系の大学編入を考えています。
    京都大学の大学院入学とは少し勝手が違うのかと思いますが、c言語やアルゴリズムとデータ構造が範囲になっており、こちらの勉強方法でも資格をついでに取るならば効率がいいと感じました。

    そこで質問なのですが、仮にc言語とアルゴリズムとデータ構造のみを勉強するとしたら基本情報技術者の午前の部分では「アルゴリズムとプログラミング」
    午後の部分では
    「ソフトウェア開発に関すること」
    のみを重点的に勉強すれば良いのでしょうか?

    • zuka より:

      てん様

      ご連絡ありがとうございます。
      質問に一つずつお答えしていきますね。

      >c言語やアルゴリズムとデータ構造が範囲になっており、こちらの勉強方法でも資格をついでに取るならば効率がいいと感じました。
      はい。おっしゃる通り,確かにFEと大学編入の試験は重複する部分が大きいと思います。てん様がどちらの大学を狙われているのかにもよるので一概には言えないのですが,編入試験に向けた勉強だけでFEならば十分合格点に達することができると思います。

      >仮にc言語とアルゴリズムとデータ構造のみを勉強するとしたら基本情報技術者の午前の部分では「アルゴリズムとプログラミング」午後の部分では「ソフトウェア開発に関すること」のみを重点的に勉強すれば良いのでしょうか?
      「のみを」とまでは言い切れないものの,方針としてはおっしゃる通りでOKだと思います。本文でも紹介している通り,「アルゴリズムとプログラミング+ソフトウェア開発に関すること」は私としても一番合理的かつコスパの良い選択肢だと思っています。

      一つ言えるのは,FEの勉強だけでは編入試験の対策をすることは難しいのではないかということです。ですので,おすすめとしては編入試験の勉強をベースにして,そこから足りない部分を網羅的な参考書や「基本情報技術者試験.com」などで補うという方針です。

      また何かあればお気軽にご相談ください。

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