この記事では、TOEFLとはそもそもどんな試験なのかを徹底解説していきます。
TOEFLとはどのようなテストなのかを
大問構成
出題内容
出題傾向
採点方法
などから解説していきます。
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大前提
TOEFL iBTは2019年8月1日より「問題数」「時間」が変わります。インターネット上には,変更前の情報が氾濫していますから,十分注意して情報収集してください。詳しくは,以下の記事をご覧ください。
TOEFLの概要
TOEFLは「Test of English as a Foreign Language」の略称で、英語を母国語としない人の英語力をはかるためのテストです。またTOEFLには「iBT」「ITP」の2種類があります。
iBTは「Internet-Based Test」の略称です。つまり、iBTはパソコン上で行い「英語を使えるか」に焦点を当てたテストです。
ITPは「Institutional Testing Program」の略称です。ITPは紙媒体のテストで、大学や教育団体向けのテストです。
TOEFLはアメリカの非営利教育団体ETSが開発・運営しているテストであり、世界的に通じる英語力の証明になります。日本でも高大接続や教育改革に伴い、TOEFL iBTのスコアが考慮され始めています。私自身は、大学院受験と留学の選考審査にTOEFL iBTのスコアが必要でした。これからは、もっとたくさんの場面でTOEFL iBTのスコアが必要になるでしょう。
TOEFL iBTの出題内容
ETS日本事務局の公式HPでは、以下のような説明がなされています。
注意点として,上の表は2019年7月31日までの内容です。以下では、8月1日以降の形式について詳しく見ていきます。
各セクションについて
TOEFLは全4セクションからなります。各セクションでは出題形式と採点基準が決まっています。詳しく見ていきましょう。
Readingセクション
リーディングセクションでは、大問数が3題の出題となります。ダミー問題がある場合は4題の出題となります。ダミー問題に関してはコチラの記事をご覧ください。小問数は場合によりますが、各大問あたり10題になります。制限時間は54分です。ダミー問題がある場合は72分です。
スコアの換算法は、3つの大問の合計が換算表によって0~30のスコアに変換されます。ダミー問題がある場合は4問中3つの大問が採用されると言われています。
出題内容としては基本的にアカデミックな内容であり、考古学から生物学、芸術、情報化社会など幅広い分野からの出題となります。これらの出題を対策するためには、各分野の基礎的素養が望まれます。
『TOEFLテスト英単語3800』の付属冊子は、全26分野に関する頻出内容がまとめられている良書です。
Listeningセクション
リスニングセクションでは、1つの通常セットの出題となります。ダミー問題がある場合は,加えて会話型と講義型の出題となります。制限時間は通常セット41分,ダミー問題16分です。単純な計算によると,会話型は約7分,講義型は約9分の制限時間になります。
スコアの換算法は、2つの大問の合計が換算表によって0~30のスコアに変換されます。ダミー問題がある場合は3問中2つの大問が採用されます。
キャンパス内での出来事とは、例えばこんな出題がよくされます。
こんなストーリーです。お分かりいただけたかと思うのですが、基本的なストーリー設計は生徒が教授に相談→何かしら裏切られる→代替案の模索というようなものになっています。
講義型の出題では,教授の講義を聞く内容になります。この講義ではListening中に、以下のような形式の黒板に書かれたメモが提示される場合があります。
講義の中盤では、この黒板に書かれた用語に関する話が展開することになります。講義形式の問題を前半・中盤・後半に分けるとすれば
前半:講義の導入。これから話す内容の背景ときっかけ
中盤:黒板の用語に関する説明
後半:将来の話。実社会への応用や今後の展望など
というようなパターンに収束します。この大まかな流れさえつかんでおけば、万が一聞き逃してしまっても落ち着いて取り組むことができます。
Speaking セクション
スピーキングセクションでは、大問数が4題の出題となります。大問4題の内訳は、以下のような内容になっています。
1題目:お題を与えられて自分で考えて発言(Independent Task)
3題目以降:リスニング内容を踏まえて発言(Integrated Task)
このようにスピーキングセクションでは、リスニングの能力が要求されます。リスニングの対策についてはコチラの記事をご覧ください。もう少し内容を詳しく見ていきましょう。スピーキング全6題の出題内容は、以下の通りです。
●1題目
・身の回りのことについて
●2題目以降
・大学の掲示物を読んだ2人の生徒の賛成案/反対案
・テーマの提示と教授の講義
・男女の会話内での問題提起と2つの解決策の提示
・教授の講義とその例
このようにスピーキングでは内容にお決まりのパターンがあります。各問題についてのテンプレはコチラの記事をご覧ください。続いて、各問題の制限時間についてです。
●1題目
→準備15秒/解答45秒
●2題目以降
→準備30秒/解答60秒 or 準備20秒/解答60秒
最後に、スピーキングの採点方法についてです。
という疑問をもつのも当然です。これだけたくさんの受験生の解答を、どのように採点しているのでしょうか。ETSはこのような採点ガイドを発表しています。それを踏まえて,スピーキングの採点は以下のように言われています。
1)採点資格を有する人間が採点する
2)1題ごとに異なる採点官が担当する
3)秒数や間違いではなく内容が重視される
スコアの換算法は、4つの大問がそれぞれ0~4で評点され、合計が換算表によって0~30のスコアに変換されます。1つだけ言えるのは、採点は人間がやっているということです。
ライティングは機械と人間が力を合わせて採点しますがスピーキングは人間のみです。つまり、エラーの数や話した時間などといった機械的な採点基準は採用していないと考えられます。
以上をふまえると、本番の試験では人間に向かって話すようにはっきりと発音して内容を充実させるのがよいでしょう。その他、受験上の注意点はコチラの記事をご覧ください。また,日本人のためのスピーキングアウトプット練習方法は以下の記事をご覧ください。
Writingセクション
ライティングセクションでは、大問数が2題の出題となります。
1題目:著者と講義の内容をまとめる
2題目:テーマに対する自分の主張を述べる
1題目は最初にあることを主張する文章を読まされて、その後に文章の内容に反論する講義を聞きます。解答では、その内容をまとめます。ごくまれに教授が講義で文章に賛成する場合もあります。
2題目はあるトピックを提示されて、自分の主張を論理的に表現します。テンプレートについてはコチラの記事をご覧ください。続いて、ライティングの制限時間です。
1題目:20分(150~225words)
2題目:30分(300words)
続いて、ライティングの採点方法についてです。
という疑問をもつのも当然です。スピーキング同様、これだけたくさんの受験生の解答を、どのように採点しているのでしょうか。ETSは以下のような採点ガイドを発表しています。
ライティングの採点は、以下のように言われています。
1)資格を有した人間と機械(eRater)の併用
2)1題ごとに異なる採点官
3)文法的なエラーは機械
4)内容は人間
スコアの換算法は、2 つの課題が 0~5 で評点され、その合計が 0~30 のスコアに変換されます。注意点として、ライティングで使用するキーボードが日本式のキーボードでない可能性があります。試験中に無駄な時間はできるだけなくしたいですから、本番を想定して練習することが求められます。
TOEFLの申し込み方法
TOEFL申し込みについては、コチラの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
TOEFLテストの大まかな雰囲気はつかめたと思います。受験にあたっては、まずは敵を知ることが大切です。ただ闇雲に勉強するのではなく、本番の受験日というゴールを見据えて適切な学習量と質を確保しましょう。