ベトナム語の発音は日本人にとって最も習得が難しい言語の1つとされています。というのも,日本人にとっては数多くの声調を用いるベトナム語の発音が難しいのです。対して,ベトナム語の文法は非常に単純です。ベトナム語の難易度が高いと言われているのは,発音の難しさが理由なのです。
そもそも,ベトナム語ってどんな言語なのでしょうか。起源はどこからきているのでしょうか。ベトナム語の歴史背景を知ることで,旅行や留学をより一層豊かなものにすることができます。そこで,この記事ではベトナム語の歴史や文法をお伝えしていきます。
ベトナム語がどのような言語なのか歴史と文法を中心にお伝えしていきます。
ベトナム語の歴史
このセクションではベトナム語の歴史についてお伝えしていきます。
元々は漢字だった
ベトナムは1000年以上もの間長い間中国の支配下に置かれていました。その時代では,ベトナム語の表記は漢字が流通していました。
10世紀ごろにはチュノム(chữ Nôm)と呼ばれる漢字とベトナム語が混ざった独自の言語を流通させようと試みますが上手くいきませんでした。
結局,その後キリスト教宣教師やフランス統治の影響によりベトナム語ではアルファベットが使用されるようになりました。
その中でもフランス統治はベトナム語に大きな影響を与えました。例えば,町中でよく見かける「cà phê」という語です。コーヒーという意味なのですが,これはフランス語の「café」からきています。
ベトナムは多民族国家
ベトナム語は多数民族のベト族の母語です。
さらに現在でも,ベトナムの北側に位置するハノイと南側に位置するホーチミンでは発音が異なるといいます。私のベトナム人の友達も,こんなことを言っていました。
日本でいうところの方言に当たると考えてよいでしょう。
ベトナム語の構造
このセクションではベトナム語の構造について見ていきましょう。
文法
ベトナム語の文法は非常に単純です。以下が概要をまとめたものです。
【ベトナム語の基本的な文法】
①語順は「S+V+O」
②語形変化なし
③その代わり語順で語る
④人称代名詞だけ注意
まず語順は「主語+動詞+目的語(補語)」です。英語と同じSVO型を取る言語です。さらに嬉しいことに,ベトナム語には語形変化がありません。
と思われるかもしれません。端的に言ってしまうと「過去形」「進行形」「三人称単数」「複数形」…といった変化がないのです。拍子抜けしてしまいますよね。しかし,単語が変化しない代わりにベトナム語は語順で語ります。ベトナム語では,モノの名前を最初に言ってしまい,詳しい情報を後ろから付け足していきます。これは日本語の構造と真逆です。「美しくて知的な女性」という言葉を用いて見てみましょう。
基本的に英語と同じような語順になります。注意点としては,英語は前からの修飾があるのに対しベトナム語では基本的に後ろからのみ修飾していくということです。
語形変化せず語順に注意するベトナム語も人称代名詞だけは注意です。相手が,年下の男女であれば「em(エム)」,自分より年上の男性であれば「anh(アイン)」,年上の女性であれば「chị(チ)」といった具合にです。これもフランス語の影響を受けた結果でしょう。
12個の母音
ベトナム語には12個の母音があります。
【母音一覧】
a â ă i y u ư e ê o ô ơ
上記のように「アが3種類/イが2種類/ウが2種類/エが2種類/オが3種類」あります。詳しくはコチラの記事をご覧ください。
6つの声調
中国語と同じようにベトナム語には6種類の声調があります。
声調についてはコチラをご覧ください。
よくベトナム語をアルファベットで覚えようとする人を見かけますが,それでは絶対に通じません。なぜなら,1つのアルファベットにいくつもの声調が対応するからです。例えば,ベトナム語で「こんにちは」は「シンチャオ」と覚える人が多いでしょう。しかし,「xin chào」(こんにちは)ならいいのですが,「xin chao」と平らな声調で発音してしまうと「ゆれてください」という意味になってしまいます。
意味不明ですね…。このような理由から,ベトナム語はカタカナで覚えるのではなく声調も一緒に覚えるようにしましょう。
まとめ
ベトナム語は,文法のお勉強はそこまで苦ではないものの,聞き取ることが難しく声調に馴染みのない私たち日本人には習得が難しい言語になっています。しかし,単語と声調さえ理解していればしっかりと意思伝達ができるのも事実です。ベトナム語の歴史的背景を知ることで旅行中の解像度が上がることは間違いないでしょう。
などなど。ぜひ当サイトの記事を利用して,ベトナム旅行をより一層楽しいものにしてください。