ダナン近郊には,世界的に大人気の観光地となった「フエ」という古都があります.フエはたくさんの世界遺産が眠る町として有名ですが,楽しみ方はそれだけではありません.
こんな方に向けて,ベトナム留学経験者である私が,フエ生まれの友達に聞いた「真のおすすめスポット・見どころ」を紹介していこうと思います.
ベトナムの古都フエの
アクセス
気候
入場料
営業時間
おすすめスポット
おすすめグルメ
を留学経験者である私が紹介していきます.
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フエってどんなところ?
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フエは,ベトナム最後の王朝である「阮(グェン)王朝」や,そのほか様々な世界遺産が残されている町として有名です.かつての王宮の名残や,フランス統治時代の西洋風の建築物が再建されており,当時の面影を色濃く残しています.
かつてユネスコの事務局長であったアマドゥ・マハタール・ムボウ氏は,フエを「賞賛すべき建築上のポエムである」と評価しました.それほど,フエは訪れる価値のある町なのです.ダナンからは車で行くことができ,ホーチミン・ハノイからも飛行機で簡単に行くことができるアクセスの良さも人気の理由の1つです.
ネットで「フエ」と検索するとたくさんの古い建物がでてきますし,「中心市街地でも目立った高層ビルはなく、比較的静かな町」なんて書かれていたりもします.しかし,2018年12月現在,フエは急発展している町でもあります.
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これらは全てフエの写真です.中心部では,今現在多くの高層ビルやオフィスが建設中なのです.実際,私自身も
と想像しながら行ったところ,度肝を抜かれてしまいました.そこで,以下ではまずフエの最新情報と,フエ出身の友達に聞いた本当の最新おすすめスポット2018年版を紹介していこうと思います.
アクセス
フエは, ダナンの北側約100㎞の場所に位置します.ダナン中心部からであれば,車で2時間程度で行けます.私は,友達のバイクに乗せてもらいました.途中にはハイヴァン峠やフーロクという町があり,ドライブを楽しみながらフエへ向かうことが可能です.
ホーチミン・ハノイからはフバイ国際空港に飛行機で向かう必要があります.フエを日帰りで回るというのはもったいないですので,せっかくのホーチミン・ハノイからの遠出であれば2~3泊するプランを立てるのもよいでしょう.
また,フエはフオン川を挟んで北側が王宮や寺院が立ち並ぶ旧市街地,南側がホテルやバーなどが開発されている新市街地になっています.徒歩でも散策可能な距離になっていますので,ぜひホテルを予約する際には旧市街地にもアクセスの良い場所を選ぶようにしてください.
気候
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ベトナムは,3~8月が乾季,9~2月が雨季とされています.特にフエは雨季の影響を受けやすい地域でもあります.フエ出身の友達によると
と言っていました.私がフエを訪れたのは12月でしたが,運がよく3日間とも天気に恵まれました.たとえ雨が降っていたとしても,ベトナムの伝統帽子ノンラーとレインコートを被って散策をすれば,まるでベトナム人気分で観光することができますので,安心してください.
しかし,やはり晴れに越したことはないので,乾季である3~8月にフエ旅行を計画されることをおすすめします.
入場料
フエの街に入ること自体にはお金はかかりません.王宮やお墓などの世界遺産に入場する際に料金が必要になります.主な料金をまとめておきます.
★阮朝王宮
大人:200,000VND(約1000円)
子供:30,000VND(約150円)
★ミンマン帝陵
大人:150,000VND(約750円)
子供:20,000VND(約100円)
★トゥドゥック帝廟
大人:150,000VND(約750円)
子供:20,000VND(約100円)
★カイディン帝陵
大人:150,000VND(約750円)
子供:20,000VND(約100円)
阮朝王宮/ミンマン帝陵/カイディン帝陵セット
大人:280,000VND(約1400円)
子供:55,000VND(約300円)
阮朝王宮/ミンマン帝陵/トゥドゥック帝陵/カイディン帝廟セット
大人:360,000VND(約1800円)
子供:70,000VND(約350円)
営業時間
ほとんどの施設の営業時間は,7:00頃-17:00頃です.特に閉館時間については,17:00に閉まってしまう施設が多いですので,計画を立てる際には十分注意してください.
おすすめスポット
★阮朝王宮(Đại Nội)
★第2代ミンマン帝陵(Lăng Minh Mạng)
★第4代トゥドゥック帝陵(Lăng Tự Đức Khiêm Lăng)
★第12代カイディン帝陵(Lăng Vua Khải Định)
★ティエンムー寺(Chùa Thiên Mụ)
★フエン・コン寺(Chùa Huyền Không)
★フエン・コン・ソン・テュオン寺(Chùa Huyền Không Sơn Thượng)
★クオック・ホック高校(Trường THPT chuyên Quốc Học Huế)
★テュアン・アンビーチ(Biển Thuận An)
★ファン・グー・ラオ通り周辺(Phạm Ngũ Lão)
それぞれ詳しく見ていきましょう.
阮朝王宮
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1802年から1945年までの143年間に渡って,ベトナム最後の王朝が置かれたフエ屈指の大人気観光スポットです.周囲は縦横およそ600mの壁に囲まれており,南東側の入り口から入場することができます.王宮内にはユネスコの無形文化遺産に指定されている宮廷雅楽を見ることができます.
ミンマン帝廟
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第2代皇帝ミンマン帝(1820〜41)のお墓で,考陵と呼ばれています.1750mにも及ぶ外壁と,本堂につながる700mもの長さの参道からは,グエン王朝の華やかさを感じることができます.フエ市街地から15㎞ほど離れたカムケー山の中に位置しています.
トゥドゥック帝陵
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第4代皇帝トゥドゥック帝(1847~83)のお墓で,謙陵と呼ばれています.大きな蓮池がトレンドマークの帝陵で,風情ある佇まいを楽しむことができます.フエ市街から5km離れたトゥイスアン県の中に位置しています.
カイディン帝陵
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第12代皇帝カイディン帝(1916~25)のお墓で,応陵と呼ばれています.王朝最後の帝陵です.フランスと友好的な関係を築いたカイディン帝の帝陵では,西洋風の構造とアジアのスタイルが入り混じった独特の建造物が見られます.フエ市街地から10㎞ほど離れたフオンテュイ県のテュイバン村の中に位置しています.
ティエンムー寺
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フエの寺院の中で最古のお寺で,1601年に建設されたティエンムー寺は,世界遺産にも登録されています.最も有名なお寺であり,連日観光客で賑わっています.フエ市街地から3㎞ほど離れたフオン川沿いに位置しています.
フエン・コン寺
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フエ市街地から5㎞ほど,ティエンムー寺からさらに2kmほど離れたフオン川沿いに位置しています.地元の人は,フエン・コン寺を「No.1」,次にご紹介するフエン・コン・ソン・テュオン寺を「No.2」と呼びます.フエン・コン寺はタイ風の塔や池が見られる,比較的規模の小さなお寺になります.
フエン・コン・ソン・テュオン寺
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広大な土地と自然豊かな風土の中に建設された知る人ぞ知るお寺です.日本の庭園のような雰囲気でありながら,タイの寺院の作りも見られます.中では,本物のお坊さんもいらっしゃります.フエ市街地から15㎞ほど西側に離れた山の中に位置しています.
クオック・ホック高校
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フエの国立高校で,1895年に建造された歴史ある高校です.皇帝や官僚などの高階級層の教育機関として発足し,今ではフエの中でも優秀な高校として有名です.かの有名なホーチミンの母校でもあります.内装は赤レンガ風の格式高い雰囲気で,入口正面のホーチミン像は必見です.
テュアン・アン・ビーチ
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フエ中心部12㎞ほど離れた,1番近い海岸です.フエと言えば世界遺産ですから,こちらのビーチは知る人ぞ知るスポットになっています.休日でも観光客は少なく,ゆったりとした時間を過ごすことができます.
ファン・グー・ラオ通り周辺
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ファン・グー・ラオ通りは,ホテルなどの宿泊施設やバー,パブ,お土産屋さんが立ち並ぶ活気あふれる通りです.夜はバイクの通行が禁止なので,歩行者天国になります.夜のフエを楽しむのであれば,こちらのエリアで間違いないでしょう.チュ・ヴァン・アン(Chu Văn An)通りとヴォ・ティ・サオ(Võ Thị Sáu)通りの交差点では,よく路上ライブやダンスなどのパフォーマンスが行われています.
おすすめグルメ
★バイン・ボー・ロック(Bánh bột lọc)
★バイン・ナム(Bánh nậm)
★バイン・ベオ(Bánh bèo)
★バイン・サム・イット(Bánh ram-ít)
★バイン・エプ(Bánh ép)
★ブン・ボー・フエ(Bún bò Huế)
★コム・ヘン(Cơm hến)
★バイン・カン(Bánh canh)
★ルオック(Ruốc)
★メー・スン(Mè xửng)
それぞれ詳しく見ていきましょう.
バイン・ボー・ロック
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フエの伝統料理の特徴として,白いモチモチの生地が挙げられます.下でも「バイン・〇〇」という料理を紹介しますが,どれもモチモチした触感が特徴的です.なかでもバイン・ボー・ロックは蒸したエビを生地の中に閉じ込めて,バナナの葉を利用して蒸した料理です.ヌクナムという液体状のソースをたらして楽しむのがフエ流です.
バイン・ナム
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バイン・ボー・ロックとは異なり,バナナの葉の中には平べったい生地が蒸されています.生地の味は変わらないものの,エビのすり身がのせられていて比較的しっかりとした味付けが楽しめます.こちらもヌクナムをたらすのが一般的です.
バイン・ベオ
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小皿に分かれて提供されるバイン・ベオは「フエと言ったら」を代表するフエ料理です.ベトナムの中でも小皿に分かれて出されるスタイルはフエ独特で,お菓子をつまむような感覚で楽しむことができる一品です.
バイン・サム・イット
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バイン・ナムやバイン・ベオのもちもちの生地をおかきの上にのせた料理.サクッとしたおかきの触感とモチモチの歯ごたえがクセになります.バイン・ベオと同じように,エビのすり身がのせられています.
バイン・エプ
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バイン・セオ( Bánh xèo)に似ている料理です.卵とネギを押しつぶして平べったい状態にして,それを生地にして野菜やチャー(Chả)を巻きます.フエ料理の中でも,若者人気が高いローカルフードになっています.
ブン・ボー・フエ
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直訳すると,フエ風の牛肉入りビーフンです.ビーフンとはいっても,酸味の効いたスープに入って提供されます.麺であるブンは米粉からできており,ブン・チャ―(Bún chả)やブン・リュウ(Bún riêu)としても有名です.
コム・ヘン
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しじみやナッツをのせたご飯の上からスープをかけて食べる庶民派グルメです.一杯50円ほどでお手軽に食べることができるほか,ご飯だけでなくブン(Bún)やミー(Mì)などといった麺の上にかけて楽しむこともできます.
バイン・カン
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バイン・カンの麺は,タピオカを原料にしてできています.ブン(Bún)やミー(Mì)などの麺類と比べて,しっかりとした触感と短い麺が特徴的です.味付けも,豚やカニなどたくさんのバリエーションが楽しめます.
ルオック
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ルオックはフエの伝統的な調味料です.ベトナムでは,イワシを塩漬けにした上澄み液であるヌクナムという調味料がよく用いられますが,フエではイワシの代わりに小エビを用いたルオックが使われます.ほとんどの屋台にはルオックが用意されています.地元の人々でもお腹を壊すことがあるそうなので,お腹に自信がある方はぜひ挑戦してみてください.味は確かですので,ハマりますよ.
メー・スン
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グエン朝の皇帝も好んだとされるフエの伝統的なお菓子です.米粉のモチに,ピーナッツとゴマを使ってコーティングてあり,非常に噛み応えがあります.メー・スンはフエに限らずベトナムの至る所で買うことができますので,ぜひお土産にいかがでしょうか.
まとめ
いかがでしたでしょうか.フエには見て回り切れないほど多くのスポットがあります.その中でも,地元の友達やフエ出身の友達がおすすめしていたスポットと料理を紹介してきました.ぜひ,プランを立てる際に参考にしていただければ嬉しく思います.