みなさんは,仏教がどんな宗教か説明できますか?仏教に対しては,様々なイメージがあるかと思います。実際、仏教にはたくさんの宗派が存在し一概に説明することは難しいです。しかし,仏教の根本をたどって2つの種類に分けて考えると,今の仏教を分かりやすく理解することができるんです。そこでこの記事では,仏教の歴史を振り返って2つの仏教の違いを考えていきます。
仏教の歴史を振り返りながら「大乗仏教」と「上座仏教」の違いを説明していきます。
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仏教ってそもそもなに?
仏教というのはそもそも,釈迦の教えを「悟り」として獲得し生きる上での煩悩から逃れることを究極の目的とした宗教です。
この目的は,大乗仏教でも上座仏教でも変わりません。仏教は「釈迦」を開祖としています。さらに,仏教では悟りを開いた人のことを「仏陀」と呼びます。
「釈迦」は悟りを開いて「仏陀」になったとされています。ですので,仏教における教えとは釈迦の教えということになります。
2つの仏教はどうやってできたの…?
仏教はその昔(紀元前5世紀ごろ)ゴータマ・シッダールタという人物がインドで開いた宗教です。その仏教は紀元前3世紀ごろに2つに分裂しました。というのも,こんなことがあったらしいです。
僧侶へのお礼として「食べ物だけしか許さん」とする考えに基づくのが上座仏教です。それに対して,「お金でも許される」とする考えに基づくのが大乗仏教です。
これらの違いから分かるように,上座仏教は釈迦の教えに対して厳格です。大乗仏教は釈迦の教えに対して寛容です。たとえば日本では大乗仏教が広まっていますが,今の日本人は悟りを開くために出家なんてしませんよね。日本人が仏教を意識するのはお葬式のときくらいです。大乗仏教は教えに従っているかどうかに対しては寛容な形で広まったのです。
どうやって伝わったの…?
仏教は発祥地インドから北と南に分かれて伝わっていきました。インドから北に伝わっていった仏教は大乗仏教でした。逆に,南に伝わっていった仏教は上座仏教でした。これらの理由から大乗仏教は別名北伝仏教と呼ばれ,上座仏教は別名南伝仏教と呼ばれています。
上座仏教は「出家した者しか悟りを開けない」ということから悟りを開くための乗り物が小さいとして大乗仏教と比較して「小乗仏教」と呼ばれることもあります。
まとめ
仏教は大乗仏教と上座仏教に分かれます。大乗仏教は根本分裂後,インドから北に伝わった仏教で釈迦の教えに対して寛容です。中国をはじめ日本や朝鮮半島に伝わりました。
上座仏教は根本分裂後にインドから南に伝わった仏教で,釈迦の教えに対して厳格です。タイをはじめ東南アジアに伝わりました。
これらの違いを意識することで,東南アジア旅行もまた違った楽しみ方ができるはずです。