一眼レフが初心者にとって取っつきづらくなっている1つの原因が「レンズ名やスペック表示の意味が分からない」ことです。実際に家電量販店やネット販売でレンズを探していると,このような表示を見ることがあると思います。
●M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
●28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)
●FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G
●フジノンレンズ XF16mmF2.8 R WR
●RF24-105mm F4L IS USM
各メーカーでレンズ名の書き方が統一されていないということもありますが,何が書いてあるのかさっぱりわからないですよね…。そこで,この記事ではレンズのスペックでよく書かれる項目をとり上げて,それぞれの意味を解説していきたいと思います。
カメラ初心者の方々に向けてレンズスペックの読み方を解説していきたいと思います。
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レンズ名の基本構成
一眼レフカメラの名前は,基本的に以下のような名前になっていることが多いです。以下では,それぞれの要素について詳しく見ていきます。
シリーズ名+焦点距離+(開放)F値+機能名
シリーズ名
レンズがどのようなシリーズなのかを表します。具体的には,ブランド名/マウント名などが含まれます。
焦点距離
レンズの焦点距離を「mm」単位で表した数値が表記されます。焦点距離とはレンズとそこを通過した光が集まる焦点の距離のことを指します。焦点距離は,切り取る写真の画角と以下のような関係があります。
●焦点距離大→画角小→範囲小=望遠レンズ
●焦点距離小→画角大→範囲大=広角レンズ
(開放)F値
絞りを最大に開いた状態のF値を開放F値と呼びます。F値を大きく設定すればするほどピントが奥までボケず,F値を小さく設定すればするほどピントが奥でボケます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
機能名
レンズ名の最後には,レンズのレベルやAF駆動用モーターの種類,手ブレ補正機能の有無などが表記されます。
具体例
レンズ名の基本構成が分かったところで,具体的な例を見ていきましょう。せっかくなので冒頭のレンズ名を見ていきたいと思います。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
「M.」はマイクロフォーサーズのことを指しており,ミラーレス一眼に関する規格を表しています。「ZUIKO DIGITAL」はブランド名です。「ED」はExtraordinary Dispersionの頭文字を取ったもので,特殊低分散ガラスを利用していることを表しています。「12‐200mm」は焦点距離で,「F3.5‐6.3」は設定可能なF値を表しています。
28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)
「28‐7mm」は焦点距離で,「F/2.8」は開放F値を表しています。「Di III」はミラーレス一眼のセンサーサイズに対応していることを表しています。「RXD」はオートフォーカスに関する機能を表し,「Model A036」はモデル名を表しています。
FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G
「FE」はフルサイズ/APS-Cのセンサーサイズに対応していることを表しています。「24‐105mm」は焦点距離,「F4」は開放F値,「G」は高性能レンズであることを表しています。「OSS」は光学式手ブレ補正機能を有していること,「SEL24105G」はモデル名を表しています。
フジノンレンズ XF16mmF2.8 R WR
「フジノレンズ」はブランド名,「XF」はミラーレス一眼に対応していることを表しています。「16mm」は焦点距離,「F2.8」は開放F値,「R」は絞りレンズがあることを示しています。「WR」は防塵・防滴のレンズであることを示しています。
RF24-105mm F4L IS USM
「RF」はマウント名,「24‐105mm」は焦点距離,F4は開放F値,「L」は高性能レンズであることを示しています。「IS」は手ブレ補正機能を有していること,「USM」はオートフォーカスの機能として超音波モニターを有していることを表しています。
まとめ
このように,カメラのレンズ名の構成はメーカーによってまちまちです。すべてを暗記するのはプロカメラマンやかなりの写真好きの方でないと難しいと思うので,基本構成のみ頭に入れてもらって,分からない部分に関してはその都度公式HP等で確認するとよいと思います。