この記事では,私がベトナム留学中に感じたことや考えたことをお伝えしていこうと思います。本記事は<Part1>になります。このシリーズは全部で<Part20>まであるので,以下の記事で目次をまとめています。ぜひ参考にしていただければと思います。
これらのシリーズは,以下のような人を対象とします。
ベトナムがどんな国なのかを知りたい人
ベトナム留学でどんな経験ができるのか見てみたい人
日本と比べてベトナムがどう違うのか知りたい人
苦労したことや楽しかったことを知りたい人
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[その1]現地の人々の地元愛
私が最初にベトナムに到着したその日。ベトナムではサッカーの代表戦が行われていました。なぜそんなことが分かったかというと,町中のあらゆる人々が喫茶店や出店の大型テレビで代表戦の応援をしていたからです。
こんな感じです。奥にTVがあるのが見えますでしょうか。町中のいたるところでサッカー観戦しているので,みなさん同じところで盛り上がります。
何だか町全体が動いてベトナム代表を応援しているような感覚になりました。他にも,家電量販店の前にテントを張ってまで暑い中みんなでワーワー観戦しています。
日本でも代表戦のある時はお祭りムードですがベトナムはさらに上をいくお祭りモードです。スーパーの店員さんやタクシーの運ちゃんも,スマホで代表戦を見ながら仕事をしています。これは恐るべき地元愛です…。
愛、というより帰属意識が高いのでしょうか。ベトナム人は家族を第一優先する傾向があると言われることもあります。社会主義国家だということも少なからず影響しているのかもしれません。
そんなこんなで,私にとってのベトナム人の第一印象は,一致団結の精神をもった素敵な方々だなというものでした。
[その2]カオスな街並み
ベトナムは今や急成長中の国だと言われています。コチラの記事でもお伝えしている通り,2000年に入ってからもずっと経済成長率5%という高い水準を保っています。そんなベトナムが資本主義経済に踏み切ったのは1986年のドイモイ政策以降でした。
町中には高層ビルがどんどん建てられ開発が進んでいきました。その後は,資本主義経済の宿命ともいえる貧富の差が拡大していきます。その象徴となるのが先ほどの写真です。
奥には超高層ビル。手前には古ぼけた鉄格子。まさにベトナム全体の縮図を表したかのような写真です。実際に町中を歩いていると
このような日本にあってもおかしくないようなお洒落なお店がたくさんあります。一方で,その周りには
このような昔ながらの市場が存在します。街の一部で目まぐるしいスピードで開発が行われている裏では,ローカルな暮らし方をされている方がたくさんおられます。さらに最近では,超大型ショッピングモールも建設され始めています。
私も実際に行ってみたのですが,その大きさたるや尋常じゃありませんでした。そこで一枚
パシャリと撮ったのがこちらの写真です。
超大型ショッピングモールの一角です。見てわかる通り,がらんと空いたテナントが並んでいます。奥に見えるのがショッピングモールの化粧品コーナーです。
この通り,ベトナムではいままさに開発中と感じさせられる場所がたくさんありました。ベトナムは経済面でカオスな国だと言えるでしょう。
[その3]地元の人々の働き方
ベトナム人はスマホが大好きです。コンビニ店員さんは,暇さえあればスマホを見ています。ローカルフードショップのお母さんもよくスマホをいじっています。日本では「お客様は神様だ」精神が根強いですが,ベトナムではそれとは対照的で客は適当に扱われることが多いです。中には個人経営のコンビニで出入りするときに戸を開け閉めしてくれたり出る時にお辞儀してくれたりするところもあります。
しかしそれは稀なケースで,ほとんどはスマホを見ながら対応されたりぶっきらぼうに対応されたりします。これは「店員→お客」の対応に関してですが「お客→店員」の対応に関しても同じことが言えます。ベトナムではお客さんもぶっきらぼうな感じなのです。
喫茶店では飲み終えたゴミはそのままにして帰りますし,帰るときなんかお札をバンと投げつけるようにして立ち去っていきます。お客さんも店員さんもどっちもどっちということなのでしょうか。
そして社会主義国家ベトナムでは公安(警察)が大きな権力をもっています。地元の友達によると,彼らは非常に裕福であり限られた親族しかなれないらしいです。
そんな彼らも,こんな感じでゆるゆると働いています。
ベトナム全体として「キッチリ」働くという概念がないみたいです。そして極めつけは公務員の働き方です。ベトナムの公務員は驚くほど給料が低いです。ベトナムでは2018年7月1日から公務員の最低賃金が139万VNDに引き上げられたといいます。(ベトナム総合情報サイト「VIETJO」さんより)
139万VNDって日本円に換算すると約6800円です(2018年9月現在)。いくら何でも安すぎますよね。ちなみに,ベトナムの民間企業の最低賃金は2018年で398万VNDです。(ベトナム総合情報サイト「VIETJO」さんより)
はい。そうなんですね。公務員は不当なまでに給料が低いです。これらの理由からか,ベトナムの公務員は〝東京の喧噪で疲れてふてくされたおじさんサラリーマン〟のような働き方をしています。というのも,私がベトナムで日本の免許をベトナム語に翻訳するときにこんなことがありました。ネット上の情報を頼りに私は役所まで向かいました。
扉を開けて入ってみると中は銀行みたいになっていました。
日本の郵便局や銀行のように目的に応じて引換券を発行します。しかし…。なんと券の発行機が全てベトナム語です。Google翻訳を試みるも「ペルーの道で…」のような意味不明な訳になりまったく使い物にならず。仕方なく,直接英語で話しかけてみることにしました。
こうして初日は突っぱねられてしまいました。この数日後,他で問い合わせたところまた同じ場所を指定されました。そしてまた同じ女性がそこに居たのです。
Copy 3 sheets!!
もはや狂気のソレでした。なぜこんなに強く当たられるのでしょうか…。結局日本の免許証のコピーを取ることにしたのですが,どこに行けばよいのかも分からず。とりあえず近くにあった小さな建物に入って優しそうなおっちゃんに声をかけました。
ということで奥に進んでみると,ありました。「photo copy」の文字が。
この左にあるコピー機で女性が印刷してくれました。1枚5円程度です。そしてコピーしたあと先ほどの役所へもどります。
という不毛なやり取りを30分以上も続けました。さらに,料金もネット上の情報より不当に高く提示されました。
しかし,その料金を払わないと免許は欲しい書類が手に入りません。仕方なく,高い料金を払いました。すると,何の説明もなしにメモ用紙を渡されました。
全てベトナム語ですし,Google翻訳も使い物にならないので困ったなあと悩んでいると…。隣でみかねた職員さんが英語のメモで「明日の15時にまた来い」と教えてくれました。翌日3回目になる訪問をしたところ,ようやく書類が手に入りました。一件落着です。
やはりベトナムで日本人1人で生活していくのには限界があるかもしれません。ベトナム人の友達に手伝ってもらっていればもっとスムーズに事は進んでいたでしょう。おそらく,初日の彼女は機嫌が悪かったから外国人である私の対応をしなかったのだと思います。
このようにベトナム人の働き方は多様性に富んでいます。しかし「キッチリ」働かなくていい雰囲気の中では日本よりも息苦しくないというのも事実です。ベトナム人自身は職種による給料格差は自覚しています。しかし,どこか諦めムードのようなものも感じられました。
ベトナムという国家が今以上に住みやすい国になり,できるだけ多くの方々が納得して生活を送れるようになるよう願ってやまないばかりです。我々に何ができるのかは,これからも模索を続けなくてはいけません。
まとめ
一旦<Part1>は終了します。今回記事にまとめたものは留学開始から一週間以内に起こった出来事です。非常に濃い時間を過ごせていましたし,自分自身頭を悩ませるきっかけにもなりました。これからももっともっと刺激を求めて邁進していきたいと思います。