私はベトナム留学をすると周りに言うと必ず理由を問われました。この記事を見てくれているみなさんの中には
という方もいらっしゃるかと思います。そこで,この記事では私がベトナム留学を目指したワケをお伝えします。ベトナムへの留学・旅行の参考にしていただければ幸いです。
私がベトナム留学を選んだワケを表明します。
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そもそも留学に理由は必要か?
私は思うんですが留学に理由って必要でしょうか?京都大学のHPにはこのような文章が載っています。
何事をするにも目的というものがあります。留学は学生時代における大きな出来事となります。何のために留学するのか、それをよく考えておく必要があります。海外へ行ってみたい、というのは大事な気持ちですが、せっかく留学するのであれば、それをどう生かすかを考えることこそが大切です。そこで、準備と並行して、自分が何故海外へ行きたいのか、何を成し遂げたいのかをよく考えておきましょう。
京都大学HP/海外留学を希望する京大生へ/留学の目的・種類より
なんとも形式的な文章ですね…。個人的にこの文章で非常に同意できる部分としては「それをどう生かすかを考えることこそが大切です。」という部分です。
しかし,正直なところ全体を通して「留学の目的を考えなさい」という大義名分で学生に選択責任を押し付けているだけではないかと感じてしまいます。これ以降の話はこちらの記事をご覧ください。
上の記事でもお伝えしていますが,留学には理由があった方がいいという点は間違いありません。そこで,参考までに私がベトナムを選んだ理由を紹介していきますね。
<理由1>社会主義国家で暮らしてみたかった
まず挙げられるのが日本とは異なる「国家体制」である国の暮らしがどんなものなのか知りたかったということです。社会主義というのは,非常に定義が難しいです。ですので「社会主義国家」で暮らしたかったというより違った国家体制の生活に興味があったと言った方が語弊が少ないかもしれません。ベトナムは社会主義なのかという点については以下の記事をご覧ください。
ベトナムでは社会主義国家のため公安(日本でいう警察)が強い権力を握っています。リアルな生活に公安が介入してくることはあるのだろうか。市民の自由が束縛されることがあるのだろうか。そのようなことが非常に気になっていました。また,男女の交際についても取り締まる法律がつい最近まで存在しており,そこらへんの雰囲気も見てみたかったという点も1つの理由です。
<理由2>物価が安い
これも非常に大切な観点でした。私は学生でしたから,お金に余裕がある訳ではありませんでした。欧米諸国を中心とした,物価が日本同等かそれ以上の地域に留学するためにはそれなりの金銭的な準備が必要になります。もちろん,奨学金を利用する手段もあります。(奨学金についてはコチラの記事をご覧ください)
物価が安いベトナムでは金銭的な理由で「経験を買う」行為を制限されることがありません。たとえば,ベトナムのローカルフードを食べ尽くすことも簡単です。これは極論ですが,たとえ無免許でバイクを運転したとしても賄賂を渡せば解決できます。
逆に物価が高い国であるほど留学中・旅行中の行動が制限されてしまうでしょう。その点からいえば,ベトナムは様々な「経験値」をお金で買うことができるそんな国なのです。
<理由3>IBMという魅力的な学部
私はダナン大学に附属している「VNUK Institute for research and executive education」(以下VNUK)という大学に通っていました。VNUKには3つの学部がありあます。
・BioMedical Science
・Computer Science and Engineering
・International Business Management
私はもともと海外を市場とした経営戦略やマネジメント方法を身につけることは,今の社会では必須だと思っていました。半年という限られた期間ではありますが,オフショア開発の現場であるベトナムでそれらの分野を学べることはかなり大きいのではないかと考えました。
このような経緯で,私はInternational Business Management(以下IBM)という学部を選びました。逆に言えば,IBMという学部があったからこそVNUKを選び,ベトナムを選びました。
<理由4>オフショアの現実を目で見たかった
みなさん,オフショアという言葉は聞いたことありますか?
オフショア開発とは、システム開発などの業務を海外企業、または海外の現地法人などに委託することである。
オフショア開発の主な目的は、発注側と受注側の経済的格差によって生じるコストメリットである。受注先としては、人件費が安く労働力が豊富なインドや中国、ベトナムなどが主になっている。オフショア開発は、コスト削減には効果的である一方で、言語の差によるコミュニケーションのミスや、現地使用人の技術力不足による品質などの問題が生じやすい。最近では、コストの他に技術力や運用体制などといった様々な要素を顧慮し、世界各地を選択対象として最適な拠点にアウトソーシングを行う「グローバルソーシング」の考え方も広がりつつある。
IT用語辞典バイナリより
つまり,人件費が安い発展途上国の労働力を搾取して先進国がコスト削減をしようとする開発手法のことをオフショアと呼ぶのです。そして最近,ベトナムでは「オフショア疲れ」なる現象が起きているといいます。
オフショアというのは,現地の人にとっては結局他の国のために働くということに他なりません。モチベーションの観点から,ベトナム人自身は自国のために働きたいという感情が芽生えてきているといいます。(出典:CNET Japanより)
さらに,人件費が安いとされてきたベトナムですが,経済発展や生活水準の向上に伴ってベトナムでの開発コストが上がっているのです。我々先進国は,これらの現象に対してどのように対処していけばよいのか。そしてなにより,現地人はオフショアをどのように感じ彼らは今後どうしていくべきなのか。これらのことをIBMという学部を通して学びたかったということが挙げられます。
<理由5>大学院入試との兼ね合い
これは私的な理由なのですが,大学院入試が海外のセメスター開始時期ともろ被りしていました。ですので,留学開始時期が遅い大学を選ばざるを得ませんでした。唯一ベトナムに9月中旬からセメスターを開始する大学がありました。
というのも,ベトナムではいまだに徴兵制があり,18歳になると軍隊に入る義務が生じます。しかし,大学生は入隊を免除されます。ただし,完全に免除されるわけではなく,ベトナムの大学生はセメスターが始まる前にMilitary training(国防教育という必修科目)をしなくてはいけません。
このような事情で,ベトナムの大学は9月中旬から始まることが多いです。この制度こそ,私にとって都合のよいモノだったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ベトナムはリゾート地として人気急上昇中です。しかし,それだけでなく文化的な価値や社会制度の違いなど注目するべき点がたくさんあります。旅行先・留学先を選ぶ際には,ぜひこの記事を参考にしていただければ嬉しいです。