本記事は教養記事シリーズその16です。その他の教養記事はコチラの目次をご覧ください。
衆議院/参議院って?
国会/内閣って?
日本の政治のしくみって?
政治とは
そもそも,政治とは何なのでしょうか。まずは広辞苑の説明を見てみましょう。
人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み。
広辞苑より
少しかみ砕いて説明してみます。「人間集団における」は社会生活,「秩序の形成と解体」は平和に置き換えて考えてみます。そうすると,政治というのは私たちが社会生活の中で平和を保つために行うシステムのことを指すことが分かります。
日本の政治のベース
みなさんは,日本の政治の最も基本的な考え方を答えられますか?小学校からひたすら聞いてきた言葉だとは思いますが,「三権分立」が日本の政治のベースとなります。三権というのは以下の通りです。この三本柱が,お互いを監視しあってバランスを保っているのが日本の政治です。
●立法権:法律を作る(=国会)
●行政権:法律を行う(=内閣)
●司法権:法律に則って監視する(=裁判所)
以下では,三権について詳しく見ていくことにします。
国会
国会は参議院と衆議院の2つの院からできており,メンバーは国民によって選ばれます。参議院と衆議院は以下のような違いがあります。
参議院 | 衆議院 | |
任期 | 6年 | 4年 |
定員 | 242人 | 465人 |
被選挙権 | 30歳以上 | 25歳以上 |
選挙区 | 大選挙区・小選挙区非拘束名簿式比例代表並立制 | 小選挙区比例代表並立制 |
解散 | なし | あり |
内閣信任/不信任決議 | なし | あり |
一言で特徴をまとめると,参議院は解散がないことなどから内閣にとっては無視できない存在になっています。一方,衆議院は任期が短いことや解散があることから国民の意見を反映しやすい存在になっています。
また,国会の種類は以下のように3種類あります。
●通常国会:毎年1月から150日間行われる
●臨時国会:重要な問題が発生した時に召集される
●特別国会:新しい首相を選ぶために召集される
内閣
内閣は,政治を行う機関のことを指します。日本は議院内閣制を採用していますので,内閣は国会をベースにして選ばれます。特に,内閣総理大臣は国会によって指名されます。内閣の仕事を表す具体的なしくみとして,閣議決定が挙げられます。閣議というのは内閣による会議のことを指します。つまり,閣議決定というのは内閣が会議をして決まった内容のことを指します。
裁判所
裁判所は政治のルールに従って監視する役割を果たしています。裁判所はそのレベルから5つの種類に分けられます。
●最高裁判所:全国に1つで最終判断をする
●高等裁判所:全国に8つで第二審を担当
●地方裁判所:各都道府県に1つで主に第一審を担当
●家庭裁判所:家庭内事件や少年事件を担当
●簡易裁判所:軽い事件を担当
まとめ
日本は平和を保つために政治を行っています。立法/行政/司法をベースとしてお互いを監視しあいながらバランスを保っています。最近では内閣にプライベートな事情を持ち込むことが問題視されています。大切なのは,プライベートを持ち込んだ疑惑自体を詮索することではなくて,日本国憲法の定める「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」が担保されたうえで三権がしっかりと機能しているかという高い視座が必要になってくると思います。