この記事では,私がベトナム留学中に感じたことや考えたことをお伝えしていこうと思います。本記事は<Part20>になります。このシリーズは全部で<Part20>まであるので,以下の記事で目次をまとめています。ぜひ参考にしていただければと思います。
これらのシリーズは,以下のような人を対象とします。
ベトナムがどんな国なのかを知りたい人
ベトナム留学でどんな経験ができるのか見てみたい人
日本と比べてベトナムがどう違うのか知りたい人
苦労したことや楽しかったことを知りたい人
[その68]ガソリンとベトナム人
週末に遊びに行こうということで,友達のバイクの後ろに乗せてもらってフエに行きました。その帰り道に,こんなことがあったんです。
そんなこんなでガソリンメーターが0を指したまま30分ほど走り続け,間一髪ガソリンスタンドを見つけて滑りこむことができました.
思ってみれば,毎日バイクを乗り回している彼らにとって,ガソリンがどの程度残っているかをバイクから感じることは簡単なことなのかもしれません。それにしても,反対車線にガソリンスタンドが見えれば行けばいいと思いますけどね…
ちなみにガソリンの物価はこんな感じです.
約3Lで3万ドンですので,1Lあたり1万ドン(≒100円)になります.そこまで日本と変わりませんね.
[その69]ベトナムのカラオケ店
ベトナムにもカラオケ店があります.日本のように「KARAOKE」という看板のお店では日本と変わらないような設備でカラオケを楽しむことができます.
しかし,中には地元のベトナム人しか知らない「超ローカルな」カラオケ店も存在します.エントランスはこんな感じです.
そうなんです.普通の家の一室にカラオケルームが設置されているんです.というのも,ベトナムではカラオケ店を経営するためには特別なお金を納める必要があるらしく
と看板などで宣言してしまうと無駄な費用がかかってしまうらしいんです.だから,このようなひっそりとした形でカラオケ店を経営しているとのことです.
料金も格安で,1時間100円程度で楽しむことができました.しかし,カラオケ機器のシステムは独特でした.日本では「DAM」や「JOYSOUND」等を利用して選曲をしますが,こちらのカラオケ店ではYoutubeにアップロードされているフリー動画をテレビに出力するというシステムでした.
正直,クオリティは散々なものでした.Youtubeの動画ですから,音声が入っている曲もあれば,途中でカットされている曲もあります.もちろん,歌いたい曲がアップロードされていなければ歌うことができません.それらをいちいち確認しながら選曲をしなくてはならず,ストレスが溜まる一方です.
ちなみに,このような状況の中でもなぜ「KARAOKE」という看板を掲げたカラオケ店が存在するかというと,実はそのような店のほとんどは女性とイチャイチャするためのお店だからです.
ベトナムでは風俗店の営業が禁止されている地域があり,そのような地域で風俗店の隠語として「KARAOKE」が定着しているとか,していないとか….
[その70]最悪の衛生環境
この写真を見てください.
これは,ベトナムによくある路上に開かれているお店のテーブルの下です.プラスチック製のカゴに,使用済みのお皿が山積みになっています.朝の忙しい時間帯は,とりあえずお客さんを回すことで精いっぱいで,お皿はお客さんが落ち着いたお昼に洗っているそうです.
これに代表されるように,ベトナムの衛生環境は最悪です.噂によると,ベトナムでは下水処理施設が整っておらず,ほとんどの汚水が海に垂れ流しになっているとのことです.
ベトナムには世界有数の美しいビーチがありますが,下水が海にそのまま捨てられていると思うと楽しめたものじゃないですよね….海岸近くには海の幸を使ったシーフードレストランがたくさん並んでいますが,これも食べられたもんじゃないです.
他にも,道を歩いているとネズミが足元を横切ることなんてよくありますし,夜には路上に置かれているゴミ箱の周りにゴキブリが大量発生します.世界で大人気の観光地として注目を浴び始めているベトナムですが,喫緊の課題として衛生環境が挙げられるのは間違いなさそうです.
[その71]ベトナム人とは
この体験談シリーズも最終章になりました.<Part1>~<Part20>までベトナム留学中に感じたことを,その日のうちに書き留めてきました.
最後の章を何にしようか考えていたのですが,「ベトナム人って結局どんな人なの?」という疑問に私なりにお答えしたいと思います.というのも,私が留学を終了して帰ろうとする間際に,ベトナム人のイメージに関する印象的な出来事がたくさん起こったんです.
もちろん,「ベトナム人はこういう人だ!」なんて決めつけることは不可能ですし,そもそも主語がデカすぎます.しかし,日本という文化に染まった人間と,ベトナムという文化に染まった人間とでは,少なからず違いがあるのではないでしょうか.今回は,その違いについて書き記してこのシリーズの締めくくりとしたいと思います.
私がベトナムにいるのもあと1週間を切ったところで,こんなことがありました.
すこーしだけ呟いた瞬間に,ものすごい勢いで友達のみんなからお誘いの言葉をいただきました.どうやら,私がベトナムを去る日がこんなにも早いとは思っていなかったらしく,ものの数十分で私がベトナムから去ることは大学中のベトナム人に知れ渡っていました.
すぐさまにスケジュールは埋まり,怒涛の一週間が始まりました.毎朝早起きして友達とご飯を食べてからベトナムコーヒーをすすり,昼は授業に出て夜はドライブをしたりお酒を楽しんだりしました.
一番印象的だったのが,サッカーのラストマッチです.そのころベトナムは雨季でしたので,ラストマッチ当日も土砂降りでした.
と落胆していたところ,グループチャットでこんな連絡あったんです.
ずぶ濡れになりながらチームメイトが駆けつけてくれました.出るのも億劫になるほどの大雨の中,私のために集まってくれたことを思うと感謝してもしきれない感情が湧いてきました.
ベトナム人は本当に適当ですし,少しぶっきらぼうです.英語も独特の訛りがあって聞き取りづらく,感情っぽくなりやすい一面もあります.しかし,人とのつながりは本当に大切にする国民性であることは自信をもって言えます.見返りを求めずに人に尽くすことを厭いません.社会主義という制度の下で,理不尽な想いも抱えながら激動の時代を生き抜いている彼らに,感謝と,尊敬と,同情と,共感と….ベトナム留学終盤は,このような複雑な気持ちを心にしまい込むことで必死でした.
このような独特な国家体制や制度を利用してお金儲けをすることだってできるでしょう.しかし,私はベトナムに根強く存在する問題を利用することなど決してしたくなく,まずは日本とベトナムの二国間で問題解決の糸口を探っていきたいと考えています.
まとめ
ベトナムに蔓延する問題を解決するためには,私の行動なんかでは無理だ.そんな考えに至ったこともありました.しかし,今では皆さんにベトナムという国について考えてもらうことが諸問題解決の第一歩なのではないのかなと考えています.
少しでもみなさんにベトナムのことを知ってもらいたく,このようなサイトを立ち上げました.ベトナム在住の方や,もっと長くおられる方と比べたら私の経験などちっぽけなものでしかありませんが,留学中に何かを吸収しようという心構えだけは負けないと思います.
冒頭にも記していますが,当サイトがみなさんがベトナムに関して何かを考えるきっかけになれば望外の喜びです.