この記事では,私がベトナム留学中に感じたことや考えたことをお伝えしていこうと思います。本記事は<Part5>になります。このシリーズは全部で<Part20>まであるので,以下の記事で目次をまとめています。ぜひ参考にしていただければと思います。
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これらのシリーズは,以下のような人を対象とします。
ベトナムがどんな国なのかを知りたい人
ベトナム留学でどんな経験ができるのか見てみたい人
日本と比べてベトナムがどう違うのか知りたい人
苦労したことや楽しかったことを知りたい人
[その10]町中で発見!人力車ならぬ「シクロ」
ダナンの町中を歩いていたらこんな乗り物を発見しました。
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その名も「シクロ」と言います。自転車のような要領で進むことができる乗り物です。シクロはベトナムの伝統的な乗り物の一つです。主に観光用のツアーなどで用いられることが多いようです。
実際に町中を歩いていると,シクロを停めたおっちゃんに声をかけられることはよくありました。私が感じたのは,シクロがベトナムであまり見られなくなっており運転手も高齢の方が多いということです。つまり,シクロを使ったサービス業は衰退しているのではないかという印象を受けたのです。
シクロを漕いでいるおっちゃんは,みんな息をハアハア吸っていてものすごく辛そうだったのを覚えています。バイクやタクシーとは違って街並みや風景をゆっくり楽しみながら観光できる手段として人気なのですが,それでもやはり需要は少ないのでしょう。さらに,料金は基本交渉制なので外国人観光客はぼったくられる可能性があります。
「Grab」(コチラの記事参照)が普及してしまった現在,交通手段としてのシクロには厳しい未来が待っていそうです。観光用としていかにシクロを宣伝していくかがポイントになってくるでしょう。
[その11]ベトナムの「家の鍵」
これは家によって違うと思うのですが,私が住まわせてもらっていたホームステイ先ではこの鍵を使っていました。
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そうなんです。私もびっくりしました。日本にいる間に「鍵は郵便受けに入れておいたわよ」と言われましたが,まさか南京錠だとは思いもしませんでした。もちろんオートロックの家があるくらいにはベトナムは発展していますから地域によっても異なるのでしょう。
しかし,いまだにこのような鍵が使われていたりします。そもそも玄関なんてなくて道にオープンな形で建っている家もあります。もちろん,歩道から家の中が丸見えです。逆に言えば,これだけオープンでも泥棒や強盗が出ないくらいには治安は良いと言えますね…。これはベトナムの温暖な気候と開放的な国民性が影響しているのだと思います。
[その12]ベトナムで紙を印刷するためには…
私がベトナムに来て一番最初に不便を感じたのが
ということでした。日本であればもちろん大学にもコピー機はありますし,コンビニやスーパーにもたいていは置いています。大学のレポートもちょっとしたコピー物もサクッと印刷することができます。しかし,ベトナムではそれができないのです。地元の人に聞いてみたところ
と教えてくれました。そこで,私は大学の提出物があったので実際に向かってみました。中はこんな感じです。
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まるで市役所のような雰囲気でした。受付の人に
と聞いてみると奥に置いてあったコピー機で印刷してくれました。
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ちなみにUSBに入ったデータも印刷できます。値段は日本より少し安く,5円/枚くらいです。しかし,このコピー機屋さんを見て正直こう思いました。
何か理由があってコピー機をコンビニなどに普及させていないのでしょうか。思い当たるのは,社会主義国家による出版物規制とかですかね。京都大学にいると,ビラなどを使ったデモや集会をよく見ます。コピー機を数か所に集中させれば,そのような紙媒体での混乱を統制しやすいという面が関係しているのかもしれません。
[その13]ベトナムで見る「ナッシュ均衡」
ベトナムでは大きな通り沿いにたくさんの露店が並んでいます。ローカルフード屋さんから靴屋、服屋,床屋、両替商など,ありとあらゆるお店が並んでいます。そんなお店の並び方に私は1つの法則を見つけました。同じ種類のお店は1か所に集まっているのです。下の写真では謎のネオン色を発する扇風機屋さんが集まっています。
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このサングラス屋さんの周りには…
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こんな感じでサングラス屋さんが並んでいます。これは,日本でも見られる現象です。例えば,京都大学周辺の百万遍です。(ロゴは公式サイトより借用)
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徒歩数十秒圏内に牛丼大手メーカーが3社も集まっています。実はこの現象は「ホテリングの立地競争モデル」と呼ばれる考えを適用することで説明ができてしまいます。簡単に言ってしまえば,お客さんを最大限集めようとした結果同業者が近くに密集してしまうのです。
ただし,ナッシュ均衡として同じお店が密集しているのかは分かりませんが…。単に,近くに同じ店があったほうが協力しやすいとかその程度の気もします。
まとめ
今回の記事ではシクロの紹介から始まり,ベトナムでのコピー機についての考察,そしてナッシュ均衡の話まで派生しました。しかし,つくづく思うのがこのような大学教養で習った知識を生かせると非常に楽しいですね。学問の意義として一番実感できるのが社会の役に立つという点ですから,やはり勉強したことが実社会に表れている現場を見るともっともっと勉強したくなりますね。これからもさらなる発見を目指して邁進してまいります。