本記事は,インターンシップ体験記のリクルート <5日目編>になります。その他の記事は,「【まとめページ】インターン体験記目次」をご覧ください。
5日目の流れ
5日目の流れは,以下の通りでした。
●最終発表
最終発表
5日目は,今回のサマーインターンの成果発表です。全部で9班あり,それぞれが独自の新規事業案を7分という時間制限の中で役員さんにプレゼンします。優秀なプランは,実際に予算が付いて事業化も検討されるとのことです。
私たちの班は,ペルソナの明確さと課題・ニーズの手触り感はよかったと思います。一方で,ビジネスプランの不明瞭さや非現実的なマネタイズ方法が足を引っ張った印象があります。結果としては,優勝することができませんでした。
他の班のプレゼンも非常に興味深く,勉強になりました。しっかりとPLを作成している班から,途中で班が仲違いをしてしまいビジネスプランまでたどり着かなかった班もありました。
そして,一番魅力的だったのが,マネージャーレベルの役員の方々からの本気のFBをもらえる点です。5日間,優秀なメンバーと本気で頭を使いながら考え抜いた事業案に対して,今まで考えが及ばなかった部分に的確なFBを刺してくれます。「確かに」「言われてみればそうかも」というような内容が多かったです。おそらく,役員の方々は長年の経験に基づく頭の使い方をしなければたどり着けない境地におられるのだと思います。
そこで改めて思うのですが,やはり私たちに求められるのはフレッシュなエネルギーと奇想天外なアイディアなんだと思います。子供は頭が柔らかく,大人は固い,ではありませんが,必ずしも経験を積んだ方々が成功するとは限らないのがビジネスの世界なのではないかと考えています。
最後にインターンのプロジェクトリーダーの方からええ話をお聞きすることができました。以下では,私なりに咀嚼した内容をお伝えしていきます。
私たちのほとんどは,人と関わり合いながら仕事をしています。仕事だけでなく,日常生活でもそうです。そのときに大事になるのが「人への想像力」だと言います。特に,曖昧な存在である人を曖昧なまま捉える力が非常に大切だとのことです。
人と関わり合いながらビジネスをしていくとき,どうしても私たちは合理性を重視してしまいます。情動性のような側面もビジネスには存在するのに。例えば,合理性だけで人間が生活をするとすれば,毎日の食事は計算上最もコスパがが良くバランスの取れた献立になります。魚とほうれん草のおひたしを毎日食べるのかという話です。
しかし,私たちはカツ丼をむさぼり,お酒を飲みます。タバコも吸います。これは,合理性を超えた部分にある人間の行動です。つまり,ビジネスでは合理性だけを追求したところで何も生まれないことが多いのです。
このような非合理的な部分は,多様な人と関わり続けることで想像力が磨かれます。おそらく,大学に入学できてインターンに参加できている私たちは,それだけで社会のニッチな領域に相当するのだと思います。さらに,類は友を呼ぶので,私たちの周りには私たちと同じような仲間が集まるのです。
実際の市場はもっともっと広大です。今の私たちでは想像も及ばないような世界が広がっています。その領域にまで想像を及ばせるためには,自分が苦手だなと思う人や,理解できないなと思う人とたくさん関わる必要があるのです。自分の気持ち良い世界で生きていては,想像力は決して磨かれません。
他にも,人への想像力を磨く方法として,自分のことは置いておくということが指摘されていました。仕事をしていく上では,自分の欲求に基づく邪念が常に付きまといます。昇進したい,周りからの評価をあげたい,バカと思われたくない,などなど。それらの邪念がジャマをすることで,例えば班員どうで「論破争い」などが起こるのだと思います。議論の本質ではない部分で,自分の負けを認めたくないがために相手を論破することに終始してしまうケースがあります。
慣れてくると,仕事をするときでも邪念を捨てて自然体でいれるようになるそうです。自然体でいるときに初めて想像力が及ぶ領域があったり,人への共感力が高まったりするのです。仕事をするときの自分はイキった自分であり,決して市場に存在する自分ではなくなってしまっています。
自分の想像力のキャパを広げるためにも,もっともっと多様な人々と関わり続け,仕事をする上でもなるべく自然体にならなくてはいけないと感じました。
ひとこと
非常に刺激的なインターンでした。「徹夜して頑張ろうぜ!」という類のパワー系の雰囲気でもなく,自由すぎて乱れるということもなく,バランスのとれたインターンシップだったと思います。何より,周りの学生のレベルが高すぎます。自分のアイデンティティを失いかけてしまうほど強烈な仲間に囲まれた5日間でした。