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【リーダーシップ】Northouseによる経営者の理論!

リーダーシップは心理学・経営学などで古くから盛んに研究されている分野です.その中でもアメリカのNorthouse教授は,リーダーシップ理論の分野に大きな影響を与えた研究者の1人です.そこで,この記事ではNorthouse教授による書籍[[1]]を中心にして,「リーダーシップの10理論」を紹介していきたいと思います.

★この記事の流れ★

Northouseに基づいてリーダーのための10理論を紹介していきます.

 

概要

1.Great man theory
2.Trait theory
3.Skills theory
4.Behavioral theory
5.Situational theory
6.Contingency theory
7.Transformational  theory
8.Transactional theory
9.Leader-member exchange theory
10.Servant leadership theory

 

1つずつ詳しく見ていきましょう.

 

Great man theory

グレイトマンセオリーは19世紀に考案され,最も古いリーダーシップの理論だとされています.これは,歴史上の偉人やリーダーが持っていた素質を有していることが,リーダーシップの条件だとする考え方です.しかし,グレインとマンセオリーは社会的な背景に依存するものだとして,1860年にHerbert Spencerによって否定されることになります.

 

Trait theory

トレイトセオリーはグレイトマンセオリーから派生したリーダーシップ理論の1つで,生まれながらの個人的な特徴(身体的/言語的/性格…等)によってリーダーに相応しいか判断するというアイディアによるものです.極端に言えば,リーダーは生まれながらにして決まっているという考え方です.しかし,この理論もやはり構成員から見たリーダー像しか分析できていない等の理由から「単純すぎる」「無益な」理論だとして(Conger,Kanugo,House,Aditya etc)激しい批判にあうことになります.

 

Skills theory

スキルズセオリーは,従来の2理論に対して後天的なアイディアを展開します.ある組織のリーダーに適するのは,どのような要素を持ち合わせた人なのかを分析する理論なのです.リーダーは決して限られた人にしかなれないのではなくて,誰にでもリーダーになる潜在的可能性が含まれていることを示唆する理論でもあります.以下の3つのスキルに分類して議論されることが多いです(Guerrer & Rowe, 2013).

1)Human skills(他人との関係性)
2)Technical skills(実践的な能力)
3)Conceptual skills(先を見据える力)

 

Behavioral theory

ビヘイビアルセオリーも,従来の2理論とは対照的なアイディアを主張します.適切なリーダーというのは,規範的な行動によって決定されるものだとする考え方です.ある人間が「先天的な特徴」を有しているからといってリーダーになるのではなく,彼/彼女がある組織の中でどのような行動をするかがリーダーの条件になると主張します.リーダーとして「どうなるべきか」ではなくて「何をするべきか」に焦点を当てた理論になっています.本理論に関して,横軸を「Concern for people」,縦軸に「Concern for production」としたBlakeによる2次元モデルはよく知られています.

 

Situational theory

シチュエイショナルセオリーは,トレイトセオリーを完全に否定する理論ではないものの,個人的な素質だけではなくて構成員の状況(発達度)に応じて方針を変えるべきだと主張するアイディアです.横軸を「Directive behavior」,縦軸を「Supportive behavior」としたBlanchardによる2次元モデルは,構成員の組織の中での成長の過程をも説明しています.

 

Contingency theory

Fiedlerはシチュエイショナルセオリーを発展させて,組織をまとめるうえで正しい方法はないとするコンティンジェンシーセオリーを主張しました.リーダーは正しい方法に基づいて組織を運営するのではなく,内部・外部の状況を鑑みてスタイルを臨機応変に適用させることが求められます.グレイトマンセオリー・トレイトセオリーを初期の理論と考えると,スキルズセオリー・ビヘイビアルセオリー・シチュエイショナルセオリーが過渡期の理論であり,コンティンジェンシーセオリーが状況や社会的背景に応じた柔軟性のあるリーダーシップ論として確立された代表的な理論といえます.

 

Transformational  theory

トランスフォーメイショナルセオリーとトランスアクショナルセオリーは,リーダーと構成員の関係に注目した理論であるThe Full Range of Leadership Model (FRLM)の中の1つの要素です.お互い対比されながら議論されることが多く,トランスフォーメイショナルセオリーは近年最も盛んに研究されている理論の1つでもあります.トランスフォーメイショナルセオリーは,組織全体を考慮して,明確なビジョンを示し,変化が必要であることを示しながら,構成員を動機づける理論です.特徴は以下の4つに集約されます.

1)カリスマ性(リーダーのようになりたい)
2)モチベート(仕事の意味付け)
3)知的刺激(革新的・創造的にさせる)
4)個別配慮(構成員個々の状況に応じた助言)

 

Transactional theory

トランズアクショナルセオリーは,トランスフォーメイショナルセオリーと対比される理論で,リーダーと構成員は「報酬ー奉仕」の関係で結ばれています.時には罰も与えながら構成員を駆り立てます.トランスフォーメイショナルセオリーが積極的に変化を求める理論であるのに対し,トランズアクショナルセオリーは現状維持を求める理論だともいえます.砕けた言い方で表すと,大企業的な考え方がトランズアクショナルセオリー,ベンチャー的な考え方がトランスフォーメイショナルセオリーです.

 

Leader-member exchange theory

リーダー・メンバーエクスチェンジセオリーは,リーダーと構成員に着目した理論の中で最も関係性を深く追求した1つです.特に,リーダー・構成員間の関係性の質に注目した点は特徴的です.今までの理論とは視点が異なり,人間的な感情を考慮した理論です.リーダーへの尊敬や親しみという感情が組織全体としてみたときに正の影響を与えるとして,積極的に「良い」関係を築くべきだと主張します.

 

Servant leadership theory

サーバントリーダーシップもリーダー・構成員間の関係性に注目した理論の1つであり,リーダーが構成員に対して尽くして行動したときに構成員が動機づけられると主張する理論です.サーバントリーダーシップの中心概念は「謙虚さ」であり,日本の組織に上手くマッチした理論だともいえます.

 

参考文献

[[1]]Northouse, Peter G. Leadership: Theory and practice. Sage publications, 2018.

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